去る 2019 年 3 月 5 日(火)、TKP ガーデンシティ Premium 仙台西口において、東北電力企業のお客さまを対象に「2018 年度 TOiNX 新技術検証・利用事例報告会」を開催しました。
今回の報告会は、これまで当社で取り組んできた新技術の検証結果や試行成果を紹介し、お客さまの業務効率化、あるいはビジネスのヒントにしていただくことを目的に開催することとしたものです。
本報告会は 2 部構成で、第 1 部では「RPA 検証報告」、「ブロックチェーン検証報告」を、第 2 部は「コミュニケーションロボット検証報告」、「AI テキストデータ分析・チャットボット検証報告」、「働き方改革(業務効率化)への取り組み事例」についてご紹介しました。

当社の新技術検証や業務効率化への取り組み事例を多くのお客さまにご理解いただくことができました。これらの検証・試行および取り組みは今後も継続し、手法をブラッシュアップしながら、お客さまへのご提案内容に随時、反映してまいります。

「2018 年度 TOiNX 新技術検証・利用事例報告会」開催報告

開催日時

2019年3月5日(火)13:30~17:00

開催場所

TKP ガーデンシティ PREMIUM 仙台西口 ホール 7A

プログラム

13 : 30 開会
13 : 30 開会挨拶

第 1 部 新技術検証報告

14 : 10 a. RPA 検証報告
14 : 40 b. ブロックチェーン検証報告
休憩

第 2 部 新技術検証報告・利用事例

15 : 00 c. コミュニケーションロボット検証報告
15 : 15 d. AI テキストデータ分析・チャットボット検証報告
休憩
15 : 55 当社の業務効率化について
16 : 00 e. 働き方改革(業務効率化)への取り組み事例
①「CELF(セルフ)」を活用した自社・顧客事例
②「fusion_place(フュージョン プレイス)」を活用した自社事例
16 : 50 講評/閉会挨拶
17 : 00 閉会

開催趣旨

IT に関わる新技術のビジネス適用については、AI、RPA、VR、ブロックチェーンなど、さまざまな新技術によるイノベーションにより、 2020 年頃まで持続的に続くと言われています。一方、国として、2019 年 4 月より、働き方改革関連法が順次試行されることに伴い、 企業におけるさまざまな施策の具現化が進んでいます。この新技術によるイノベーションの高まりと、労働生産性向上に向けた働き方 改革の取り組みとが相まって、企業活動においては、IT 活用により業務プロセスを改善していく「デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)」が 加速し、ビジネスへの新技術の適用が本格化しています。

当社では、RPA、AI、ブロックチェーンなどに代表される IT の新技術や働き方改革を進める業務効率化ツールについて、社内調査・研究に取り組むとともに 自社で試行利用し、その有用性を確認したうえで、お客さまへのご提案に向けて図っていくこととしております。今回の報告会では、これまで当社で取り組んできた 新技術の検証結果や試行成果を紹介し、東宝九電力グループ各社の業務効率化、あるいはビジネスのヒントにしていただくことを目的に開催することとしたものです。

各発表概要

主な発表概要は、2017 年度の新技術検証報告と 2018 年度の利用事例報告です。

第 1 部

a. RPA 検証報告

事務処理業務、運用監視業務を対象とした RPA の PoC
報告部門:営業本部 営業企画部 IT イノベーション課

「働き方改革」などにより注目されているソフトウェアのロボット技術により、定型の事務作業を自動化・効率化する RPA(Robotic Process Automation) について技術概要の調査を行い、社内 3 部門の業務を対象に PoC(*1)を実施。本発表では、これらの検証結果を中心に、RPA 導入の効果性や課題に関する 報告を行いました。社内業務への活用性評価として、

  1. 本検証において、年間で約 863 時間の作業時間の短縮、また RPA での代行が見込めること。
  2. RPA の適用領域は広いため、社内のさまざまな業務に活用できる可能性があること。
  3. 単純に、RPA を導入するだけではなく、業務自体の改善を合わせて実施することで、より導入に対する効果が高まると考えられること。
  4. 状況によっては外部ベンダーも活用するべきであること。

などが、考察の結果として報告されました。

(*1)PoC とは Proof of Concept の略。概念実証を意味する。新しいプロジェクトが本当に実現可能かどうか、効果や効用、技術的な観点から検証する工程を指す。

b. ブロックチェーン検証報告

ブロックチェーンを触ってみよう ~スマートコントラクトによる電子契約~
報告部門:営業本部 営業企画部 IT イノベーション課

暗号通貨の基盤技術として知られるブロックチェーンを用いたシステム実装に必要な技術や、構築イメージを獲得することを目的として、原料仕入れから加工販売をモデルに、 電子契約を行うシナリオを想定し、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約情報を記録する仕組み)を用いた実証検証を実施。その概要と検証を通して得られた知見について報告しました。
ブロックチェーン基盤における明確な課題として、権限管理・暗号化(悪意ある参加者に対する配慮)、性能・リアルタイム性、データ同期のタイムラグ、ファイナリティの確保、システム運用・ガバナンス、 スケーラビリティとリソースの全体最適化などが提示されました。既存のアーキテクチャとは思想が異なる技術なので、今後も実装方法の選択肢の一つとして検討できるよう注視していく必要があるとの 提案をもって、報告は終了しました。

第 2 部

c. コミュニケーションロボット検証報告

施設案内、出展、セミナーにおけるコミュニケーションロボットの業務適用
報告部門:営業本部 営業企画部 IT イノベーション課

コミュニケーションロボットの技術に関する調査と、社内業務における有用性を検討するため、3 業務を対象に、2 種類のコミュニケーションロボット「プレゼン Sota(*2)」(写真右)と 「Kibiro for Biz(*3)」(写真左)を検証。「プレゼン Sota」が発表者となり、対象業務や検証体制、検証スケジュール、検証結果、利用実績、市場動向、当社のビジネスにおける 活用性についての報告が行われました。
展示会や新卒採用イベント、データセンター見学などの当社紹介にロボットを活用したところ、新技術を取り組んでいるアピールになり、かつ企業イメージの向上にも一定の効果があったと報告されました。
一方で、ロボットは一部の業務代行は行うことはできるものの、準備などを含めて人が関わる必要があるという見解についても報告されました。

(*2)「プレゼン Sota」は、ヴィストン株式会社(Vstone)の登録商標です。
(*3)「Kibiro for Biz」は、株式会社 FRONTEO コミュニケーションズの日本またはその他の国における登録商標または商標です。

d. AI テキストデータ分析・チャットボット検証報告

ヘルプデスク業務における問い合わせログデータの分析とチャットボット検証
報告部門:営業本部 営業企画部 IT イノベーション課

当社お客さま支援部ユーザーサポートセンターでは、蓄積した問い合わせ履歴データ約 2 万件を分析し、ヘルプデスク業務の改善に繋げています。履歴データは、テキストデータであり、 自然言語処理の手法により、問い合わせの傾向を掴むことが可能です。
本発表では、AI インシデントデータ分析として類似の対応履歴をグルーピングし、オペレータが利用するテンプレートについて改善箇所の洗い出し結果が報告されました。 そこから見えてくるものとして、データの類似性から問い合わせ傾向が把握可能であること、大量のデータを高速に処理することができるため、テンプレート候補リストの作成などの 作業効率化が期待できること、当社ヘルプデスク業務への適用にあたっては、現行システム(CRM:Customer Relationship Management)の仕様や運用面なども含め、業務全体としての 適用検討が必要であることなどが伝えられました。
また、お客さまが自己解決できるよう提供している「セルフヘルプ(FAQ)」をモデルにチャットボットを構築、検証結果も報告されました。
「社内業務への活用性評価」として、「お客さま対応業務を担当しているヘルプデスク要員が言い回しデータを準備したことで、利用者が良く使う用語を学習することはできたが、業務絵への 本格適用にあたっては、お客さまが目的の回答を見つけられない場合を考慮したオペレータなどへ連携する機能や品質を維持し、さらに向上させるためのメンテナンスなど、運用面についても 検討が必要である」といった考察が報告されました。

e. 働き方改革(業務効率化)への取り組み事例

1 「CELF(セルフ)」を活用した自社・顧客事例
報告部門:営業本部 営業部 営業 2 課

社内では Excel で管理する業務が多数存在し、さまざまな課題を抱えていました。複数人での編集や回収・集計に手間がかかっている契約管理や案件進捗管理を、 Web アプリ「CELF」で管理することで、同時編集や配布・回収がスムーズになり、業務効率が大幅にアップしました。さらに、迅速なデータ共有・活用が実現したことで、 適切な営業戦略の構築も可能に。Excel 感覚で、どなたでも簡単に Web アプリを構築することができる「CELF」を利用した社内およびお客さまの事例について報告しました。
社内事例としては「レンタルサービスの事務手続き業務」の実例をご紹介。導入後は、データの登録が必要最低限ににあり、サービスの提供状況はリアルタイムに一覧表示。 「CELF」未導入の関係箇所には、標準装備の Excel エクスポート機能を活用し、Excel データの併用も容易にできたことをほうこくしました。 また、お客さま事例としては「残業時間の管理業務」の実例を紹介。導入後は、インプットデータの取込み処理をするだけでクロス集計が自動実行。手作業で実施していた Excel 処理 が自動化され、日々の作業工数の削減につながったことを報告しました。

(*4)「CELF」は、SCSK 株式会社の登録商標です。

2 「fusion_place(フュージョンプレイス)」を活用した自社事例
報告部門:営業本部 営業部 営業管理課

社内における収支管理業務は、各部門からのデータ集計やサービス区分別のデータ作成など、毎月煩雑な集計作業に追われる状況にあり、Excel データの不整合などの課題が顕在化してきました。 このため、予算編成から実績・見通し作業における収支管理業務の効率化を図ることのできる「fusion_place(*5)」を導入。現在、「fusion_place」を活用したプロトタイプを作成し、 施行および検証を進めています。
本発表では、社内における「fusion_place」の取り組みと導入効果、今後の展開についての報告・発表が行われました。例えば、「転記・集計などの人為的ミスが減ることで、作業が効率化され、分析や 業務改善など、本来実施すべき業務に時間が割り当てることができる」ことや、「調整や見直しが入っても、迅速に提携レポートを作成できるようになる」というように、作業効率化を進めていることがつたえられました。 また、「予算情報をデータベースで一元管理することで、Excel 管理ではできなかった詳細データの確認・分析が容易に可能になる」、「ドリルダウンなどのデータ分析機能を活用し、 金額を複数の切り口から分析することが可能となる」といった導入効果が伝えられました。

(*5)「fusion_place」は、株式会社フュージョンズおよびその供給元の商標または登録商標です。

会場の様子

▲ 開会あいさつ
 (取締役社長 石森 令一)
▲ 多くのお客さまにお集まりいただいた熱気あふれる会場
▲ 「当社の業務効率化について」のご紹介
▲ 講評/閉会挨拶
 (常務取締役 営業本部長 佐藤 佳彦)